電話、LINE、店頭から少数の予約を受ける段階では、Googleスプレッドシートで予約台帳を作れます。ただし、名前と日時を並べるだけでは、重複、連絡漏れ、個人情報の共有ミスが起きます。この記事では、1人・1店舗・週10件程度から試す最小の台帳と、予約システムへ移る判断基準を解説します。
この記事でわかること
- 日時・連絡先・状態など予約台帳に作る最小11列
- プルダウンと条件付き書式で入力を揃える手順
- 二重予約・返信漏れを防ぐ毎日10分の確認方法
- 週20件・複数スタッフを目安に予約システムへ移る基準
表計算で始められる予約と向かない予約を分ける
表計算は、受付担当が1人、店舗が1つ、主な予約枠が1種類、週10件程度から試す場合に向きます。電話・LINE・店頭で受けた予約をすぐ1つの表へ入力でき、同じ時間を受けない担当者を決められることが条件です。週10件は制度上の上限ではなく、14日間で入力ルールを確かめるための運用目安です。
週20件を超える、複数スタッフ・部屋・機器を同時に割り当てる、24時間ネット予約を受けたい、事前決済や自動リマインドが必要な場合は、最初から予約システムも比較します。予約が増えたのに表の列と色だけを増やすと、空き枠確認と転記がかえって難しくなります。
最初の予約台帳に11列を作る
1行目に、予約ID、予約日、開始時刻、終了時刻、顧客名、連絡先、メニュー、担当・場所、状態、支払状態、受付経路を作ります。予約IDは『20260829-001』のように日付と連番で付け、同姓同名や変更前後の予約を区別します。住所、生年月日、健康状態など、予約実施に不要な情報は同じ表へ集めません。
- 時間を押さえる:予約ID、予約日、開始、終了
- 連絡する:顧客名、必要最小限の電話またはメール
- 提供する:メニュー、担当者または部屋・席
- 進み具合を見る:仮受付、確定、来店済、取消、無断不来店
- 売上へつなぐ:支払状態、電話・LINE・店頭などの受付経路
Googleスプレッドシートで入力を揃える
1行目を固定してフィルタを付ける
列名を固定し、予約日、担当、状態で絞り込めるようにします。日付と時刻は文字ではなく、日付・時刻形式へ揃えます。
状態をプルダウンにする
Google公式の手順で、仮受付・確定・来店済・取消・無断不来店のプルダウンを作ります。自由入力を減らし、『キャンセル』『取消』のような表記違いを防ぎます。
未確定と当日予約へ色を付ける
条件付き書式で仮受付を黄色、当日なのに未確定の行を赤など、確認が必要な状態だけ目立たせます。色だけに意味を持たせず、状態の文字も残します。
計算列を保護する
終了時刻や集計の数式列を保護します。ただしGoogle公式は、シート保護をセキュリティ対策とはみなさず、信頼できる相手とのみ共有するよう案内しています。
共有を制限付きにする
『リンクを知っている全員』ではなく、店主と予約を扱う担当者だけを編集者にします。個人情報を含む台帳を[ウェブに公開]せず、退職・外注終了日に共有を解除します。
二重予約を防ぐ入力ルールを決める
予約を受けた人が、その場で1つの台帳へ入力します。紙、LINE、個人カレンダーへ仮置きして後で転記すると、同じ時間を案内しやすくなります。返事待ちは『仮受付』として開始・終了時刻を押さえ、いつまでに確定しなければ枠を戻すかを決めます。
施術後の清掃や入れ替えが必要なら、予約と予約の間に10分など実際の準備時間を入れます。開始時刻が違っても、同じ担当者・部屋・機器の利用時間が重なれば二重予約です。毎朝、当日分を担当・場所ごとに並べて確認します。
- 電話・LINE・店頭の予約を同じ台帳へ即時入力
- 仮受付にも開始・終了と回答期限を入れる
- 施術・相談時間だけでなく準備・片付け時間も押さえる
- 変更時は元行を削除せず、状態と変更理由を更新
毎日10分・週15分で予約漏れを確認する
開店前に当日と翌日の予約を10分確認し、仮受付、連絡先不足、同じ担当・場所の重複を探します。来店後は当日中に来店済・取消・無断不来店へ更新します。週1回は、未確定のまま過ぎた予約、連絡できなかった予約、共有相手を15分確認します。
個人情報保護委員会は、個人データの安全管理措置を、事業規模、扱う情報の性質と量、漏えい時の影響などに応じて決める考え方を示しています。小さな店でも、誰が見られるか、何のために保管するか、いつ削除するかを決めます。予約台帳を顧客への一斉営業リストへ自動的に流用しません。
- 毎日:当日・翌日の仮受付、重複、連絡先不足
- 来店後:来店済・取消・無断不来店、支払状態
- 毎週:期限切れの仮受付、返信漏れ、共有相手
- 毎月:不要列、古い共有、保管期間を過ぎた情報
14日間の数字で予約システムへ移るか決める
14日間、予約件数、入力にかかった分数、二重予約、返信漏れ、営業時間外の予約希望を記録します。週20件超、複数スタッフ・部屋、二重予約または返信漏れが1件、入力と確認が週60分超のいずれかが続く場合は、予約システムを比較する運用目安です。
Googleカレンダーの予約スケジュールでは、予約時間、受付期間、準備時間、1日の上限、既存予定との重複確認などを設定できます。一部機能は対象のGoogle WorkspaceまたはGoogle Oneプランが必要です。ほかの予約サービスも含め、主力メニュー1つで14日間試し、変更・取消・データ出力まで確認します。
迷ったら、まずここから
- 日時・連絡先・状態など予約台帳に作る最小11列
- プルダウンと条件付き書式で入力を揃える手順
- 二重予約・返信漏れを防ぐ毎日10分の確認方法
- 週20件・複数スタッフを目安に予約システムへ移る基準
よくある質問
Googleカレンダーだけで予約管理できますか?
件数が少なく自分の予定と予約枠を同じ場所で確認したい場合は候補になります。予約ページ、自動通知、事前決済、複数スタッフなど必要な機能と、利用プランの条件を確認します。
顧客名と電話番号をスプレッドシートに入れてよいですか?
予約連絡に必要な範囲へ絞り、共有を制限付きにします。ウェブ公開を使わず、閲覧できる人、利用目的、保管期間、退職時の解除を決めます。
仮予約は台帳へ入れなくてもよいですか?
返事待ちでも枠を案内した時点で仮受付として入れます。回答期限を決め、期限を過ぎたら顧客へ確認して枠を戻します。
いつ有料の予約システムへ変えるべきですか?
料金より、二重予約、返信漏れ、転記時間、営業時間外の取りこぼしで判断します。主力メニュー1つを14日間試し、減った手間と月額を比べます。
参考:Googleスプレッドシート:プルダウンリストを作成する/Googleスプレッドシート:条件付き書式/Googleスプレッドシート:シートと範囲を保護する/Googleカレンダー:予約スケジュールを作成する/個人情報保護委員会:個人情報保護法ガイドラインQ&A