クーポンは友だち数を増やすだけの景品ではありません。再来店、空き時間の予約、初回商品の体験など、店の課題を1つ解決するために使います。先に1回利用されたときの利益を計算し、その範囲で特典を決めます。最初は対象30人・有効期間14日・1人1回をWebミライ図の小規模テスト目安として、利用数と再来店を確認します。
この記事でわかること
- 目的は1つ:再来店、空き枠、初回体験、在庫消化など
- 値引き上限:売価ではなく、変動費を引いた利益から決める
- 小規模テスト:対象30人・14日間・1人1回から開始
- 確認:獲得、使用ユーザー、使用回数、クーポン後の再来店
作成前に、目的と対象を1つに絞る
LINE公式アカウントでは、作成したクーポンをメッセージ、LINE VOOM、応答メッセージなどで配信できます。できることが多いほど、最初は目的を絞る必要があります。『売上を増やす』ではなく、『平日15〜17時の空きを埋める』『初回来店から30日以内の再来店を促す』のように、期間と行動を決めます。
- 再来店:前回来店から30日以内にもう一度利用
- 空き時間:平日や特定時間帯だけ対象
- 初回体験:利益を確認できる入門商品だけ対象
- 在庫消化:対象商品と数量を限定
- 紹介:紹介者と新規顧客の条件を分けて表示
値引き額を、1件あたりの利益から決める
売価だけを見て500円引きを決めると、材料費や決済手数料を差し引いた後に利益が残らない場合があります。商品・サービス1回分について、売価から材料、仕入れ、外注、販売ごとに増える費用を引きます。家賃や基本給など固定費は別に管理し、まずクーポン利用1件で現金がどれだけ残るかを確認します。
例として売価5,000円、販売ごとに増える費用2,000円なら、値引き前に残る金額は3,000円です。500円引き後は2,500円です。20件利用されると値引き総額は10,000円、利用売上は90,000円です。これは計算例であり、税務上の利益や成果保証ではありません。自店の原価と費用へ置き換えます。
- 値引き後売価=通常売価−値引き額
- 利用1件で残る金額=値引き後売価−販売ごとに増える費用
- 値引き総額=値引き額×利用回数
- クーポン売上=値引き後売価×利用回数
最初のクーポンに書く7項目
クーポン名
『平日15〜17時限定・会計500円引き』のように、対象と特典を名前だけで分かるようにします。
有効期間
開始日と終了日を設定します。最初は14日間を目安に、配信から利用まで追える期間にします。
特典内容
値引き、追加サービス、対象商品など、店頭で迷わず処理できる内容にします。
利用条件
最低購入額、対象曜日・時間、対象商品、初回限定などを明記します。
利用回数
最初は1人1回にし、スタッフが使用済みを確認する手順を決めます。
併用条件
他のクーポン、ポイント、セールとの併用可否を書きます。
提示方法
注文前、会計前など、いつ画面を見せるかを記載します。会計後の値引き対応を避けます。
管理画面で作り、必ず自分で使用テストする
[ホーム]から[クーポン]を開く
新規作成を選び、獲得条件、クーポン種別、名称、期間、利用条件を入力します。
条件なし・抽選・紹介を選ぶ
最初は仕組みを説明しやすい条件なしクーポンから試し、抽選や紹介は運用が安定してから検討します。
公開前に文章を2人で確認
金額、期間、対象、併用、利用回数、提示タイミングを読み合わせます。一人運営なら翌日に再確認します。
自分のスマホで獲得する
クーポンを開き、期限と条件が読みやすいか確認します。小さな文字へ重要条件を隠しません。
テスト会計を1件行う
スタッフ画面で使用済みにするところまで試し、POSやレジの値引き方法、取消時の戻し方を確認します。
30人へ14日間だけ配信し、店頭処理を固める
最初から全友だちへ配信せず、可能な範囲で小さく試します。本記事では対象30人、有効期間14日、1人1回を開始目安にしています。業種共通の成功基準ではありません。友だち数が少ない場合は全員へ配信し、何人へ届いたかを記録します。
店頭には1枚の運用メモを置きます。①条件確認、②会計前に画面提示、③使用済みにする、④POSで指定の値引き、⑤返金・取消時は責任者確認、の順です。スタッフが口頭で条件を変えないようにします。
獲得数ではなく、使用と再来店で判断する
LINE公式の分析では、クーポンごとにページビュー、ユニークユーザー、獲得枚数、使用ユーザー、使用回数などを確認できます。公式マニュアルは、数値が利用環境により重複する場合があり、前日までの数値が翌日に反映されると案内しています。小さい数値が『〜9』などで表示される場合もあります。
終了後に、配信人数、獲得ユーザー、使用ユーザー、使用回数、クーポン売上、値引き総額、30日以内の再来店を記録します。獲得が多く使用が少なければ条件や期限、使用は多いのに利益が残らなければ特典額、利用後の再来店がなければ次回案内を見直します。
- 使用率=使用ユーザー÷獲得ユーザー×100
- 1件あたり値引き費用=値引き総額÷使用回数
- クーポン後の再来店率=30日以内の再来店人数÷使用ユーザー×100
- 店頭処理時間と、条件確認で止まった回数
迷ったら、まずここから
- 目的は1つ:再来店、空き枠、初回体験、在庫消化など
- 値引き上限:売価ではなく、変動費を引いた利益から決める
- 小規模テスト:対象30人・14日間・1人1回から開始
- 確認:獲得、使用ユーザー、使用回数、クーポン後の再来店
よくある質問
何円引きにすれば効果がありますか?
業種共通の正解はありません。通常売価から販売ごとに増える費用を引き、値引き後も必要な金額が残る範囲で決めます。金額以外に追加サービスや対象時間限定も検討します。
有効期限は何日がよいですか?
本記事では14日を小規模テストの目安にしています。来店頻度が月1回の店と毎週使う店では適切な期間が違うため、通常の再来店間隔に合わせます。
利用数が少なく分析できません
LINEの分析では小さい数値がまとめて表示される場合があります。店頭での使用回数、POSの値引き件数、クーポン売上を同じ期間で手作業でも記録します。
友だち追加の特典として使えますか?
利用できますが、追加後に何を配信するかも説明します。初回特典だけで集め、不要な宣伝を続けるとブロックの原因になるため、配信内容と頻度を追加前に示します。
参考:LINE公式アカウント クーポン作成マニュアル/LINE公式アカウント 分析・クーポン/LINE公式アカウント 友だち追加ガイド/日本政策金融公庫 デジタルで顧客とつながる考え方