お客様の声は、事業者の説明だけでは分かりにくい『依頼前の悩み』『選んだ理由』『利用後の変化』を伝える材料です。ただし、口頭で褒められた内容やGoogle口コミを勝手に転載してはいけません。まず満足度を確認できた顧客3人へ、掲載する媒体・名前・写真・編集範囲を説明して許可を取りましょう。
この記事でわかること
- 最初の人数:満足度を確認できた顧客3人へ個別に依頼
- 質問数:5問以内、回答時間5〜10分を目安に案内
- 許可:掲載媒体、実名・匿名、写真、編集、掲載期間を記録
- 30日で見る数字:声の閲覧、サービス・料金ページへの移動、問い合わせ
集める前に使い道を1つ決める
『トップページで安心感を補う』『サービスページで依頼後を想像してもらう』など、掲載場所を先に決めます。目的が曖昧なまま長い感想を集めると、何を載せるか選べません。最初は主力サービス1つにつき3件を目安にします。
お客様の声は成果の保証ではありません。『必ず売上が上がる』『全員が改善した』など、個別の感想を一般的な効果として断定しません。利用時期、サービス内容、個人の感想であることが分かるようにします。
依頼するタイミングは満足を確認した後
特典と引き換えに感想を依頼する場合は、特典の条件と、良い評価を求めていないことを明確にします。好意的な回答だけを選び、広告であることを隠すと、消費者庁のステルスマーケティング規制に関わる場合があります。
- 納品後:成果物を確認し、修正が終わったとき
- 来店後:会計やフォロー連絡で不満がないと確認できたとき
- 継続サービス:開始から30日など、変化を振り返れる時点
- 避ける:契約前、問題解決前、断りにくい対面の最中
そのまま使える依頼文
『このたびは○○をご利用いただき、ありがとうございました。今後サービスを検討する方の参考として、5分ほどのアンケートにご協力いただけないでしょうか。回答は、掲載内容を確認いただいたうえで当店ホームページへ掲載します。実名・匿名、写真の有無は選べます。率直なご感想をお願いします。回答しなくても、今後のサービスに影響はありません。』
依頼文で、所要時間、掲載先、匿名の選択、掲載前確認、断っても不利益がないことを伝えます。急かす締切や、高評価を条件にした表現は避けます。
答えやすい質問は5つ
利用前に困っていたこと
『依頼前は、どんなことで困っていましたか?』と聞きます。住所、病歴、取引先名など不要な個人情報を書かない注意も添えます。
知ったきっかけ
Google検索、紹介、SNS、店舗など選択肢を用意すると、集客経路の確認にも使えます。
選んだ理由
料金、説明、実績、場所、返信の速さなど、比較時に役立った情報を聞きます。
利用後に変わったこと
数字を強制せず、作業時間、分かりやすさ、安心感など本人が実感した範囲で答えてもらいます。
これから検討する人への一言
自由記述は最後の1問にします。回答しにくい質問は飛ばせると案内します。
掲載許可は5項目を記録する
口頭だけでなく、メールやフォームで許可内容を残します。個人を識別できる写真は個人情報に当たり、ホームページで第三者が閲覧できる形にする場合は本人の同意が必要だと個人情報保護委員会は案内しています。氏名や仕事内容を組み合わせると本人を特定できる場合もあるため、匿名でも確認します。
- 掲載先:自社ホームページ、SNS、チラシのどこまでか
- 名前:実名、屋号、イニシャル、匿名のどれか
- 写真:顔、店舗、成果物の各画像を使ってよいか
- 編集:誤字修正、短縮、見出し追加の範囲
- 期間と取消し:掲載開始日、削除依頼の窓口
良い声だけを切り取るときは広告だと分かるようにする
消費者庁のステルスマーケティングQ&Aでは、アンケートを恣意的に選ばず内容を変えずに引用する場合と、好意的な回答だけを選ぶ場合を分けています。良い評価だけを選んだり、良い部分だけ抜粋したりする場合は事業者の表示に当たり得るため、ホームページ内の紹介・広告であることが分かる表示が必要です。
インフルエンサーへ依頼した投稿を、自発的な『お客様の声』のように見せるのも避けます。商品提供、謝礼、掲載依頼がある場合は、その関係を読者が見落とさない場所へ明記します。
編集は確認用の完成文を送ってから公開する
原文を保存する
回答日時と許可内容を一緒に保存します。公開用に短くしても、元の回答を後から確認できるようにします。
意味を変えずに整える
誤字、重複、個人情報を調整します。効果を強く見せる言葉や、本人が言っていない数字を足しません。
完成文を本人へ送る
名前、写真、本文、掲載先をまとめて確認してもらいます。返事がないまま公開しません。
公開後のURLを知らせる
実際の表示を本人にも確認してもらい、修正・削除の連絡先を案内します。
30日後は件数ではなく導線を見る
お客様の声ページを見た人数だけでなく、そこからサービス、料金、問い合わせへ進んだ人数を確認します。閲覧はあるのに次へ進まない場合は、どのサービスの声か、利用時期、依頼前後の変化が分かるかを見直します。3件を載せた後は、似た感想を増やすより、異なる業種・課題・サービスの声を追加します。
迷ったら、まずここから
- 最初の人数:満足度を確認できた顧客3人へ個別に依頼
- 質問数:5問以内、回答時間5〜10分を目安に案内
- 許可:掲載媒体、実名・匿名、写真、編集、掲載期間を記録
- 30日で見る数字:声の閲覧、サービス・料金ページへの移動、問い合わせ
よくある質問
Google口コミをホームページへ転載してよいですか?
勝手に全文を転載せず、投稿者の許可と利用するサービスの規約を確認します。まず口コミページへリンクし、ホームページ用の感想を別に依頼する方法が安全です。
匿名なら許可は不要ですか?
業種、地域、写真、依頼内容の組み合わせで本人が分かる場合があります。匿名にする場合も、掲載内容と媒体を本人に確認します。
文章を読みやすく直してもよいですか?
誤字修正や短縮の範囲を事前に伝え、意味を変えません。完成文を本人へ送り、名前・写真・本文を確認してから公開します。
良い感想だけを載せてもよいですか?
好意的な回答だけを選ぶ場合は事業者の表示に当たり得ます。紹介・広告であることが分かるようにし、効果を保証する見せ方を避けます。
参考:消費者庁 ステルスマーケティングに関するQ&A/個人情報保護委員会 写真掲載と本人同意/個人情報保護委員会 個人情報保護法ガイドライン/Google 有用で信頼性の高いコンテンツの作成