在庫管理で大切なのは高価なシステムを入れることではなく、入荷・販売・使用・廃棄を同じルールで記録し、実際の数量と合わせることです。商品数が少ない1店舗なら、Googleスプレッドシートで不足と余りを見えるようにできます。この記事では、20〜50商品から始める管理表と、発注点を決める方法を解説します。
この記事でわかること
- 商品コード・現在庫・発注点など最初に作る列
- 入荷・販売・廃棄を同じ日に記録する方法
- 1日平均販売数と納品日数から発注点を出す計算例
- 週次・月次の棚卸しとPOSへ切り替える判断基準
最初は20〜50商品・1店舗に絞る
スプレッドシートは、商品が20〜50点ほど、店舗と販売場所が1つ、入力担当を決められる段階で試しやすい方法です。これは制度上の上限ではなく、入力漏れを見つけながら2週間試すための運用目安です。まず売上上位の商品と、欠品・廃棄が起きやすい商品だけを登録します。
商品が100点を超える、複数店舗やネットショップで同時に売る、賞味期限やロットの追跡が必要、複数スタッフが頻繁に入出庫する場合は、POSレジや在庫管理サービスの方が安全です。二重入力が毎日発生するなら、表を複雑にする前に切り替えを検討します。
在庫管理表に最初の12列を作る
新しいスプレッドシートの1行目に、商品コード、商品名、分類、単位、開始在庫、入荷、販売・使用、廃棄・破損、調整数、現在庫、発注点、仕入先・納品日数を作ります。商品コードは同じ名前の商品を取り違えないための番号です。飲食店では『販売』を『使用』へ読み替え、箱・本・個など単位を統一します。
- 商品を特定する:商品コード、商品名、分類、単位
- 増減を記録する:開始在庫、入荷、販売・使用、廃棄・破損、調整数
- 発注を判断する:現在庫、発注点、仕入先・納品日数
- あとから追加する:原価、販売価格、最終棚卸日、担当者
現在庫と発注点を計算する
現在庫は『開始在庫+入荷−販売・使用−廃棄・破損±調整数』で計算します。実物が表より2個少なかった場合は、理由を確認したうえで調整数に−2を入れます。数だけ直して終わらせず、入力漏れ、破損、数え間違いなど理由を別列またはメモへ残します。
発注点は『1日平均販売数×発注から納品までの日数+安全在庫』で最初の目安を作れます。1日3個売れ、納品まで5日、安全在庫を5個持つなら、3×5+5=20個です。現在庫が20個以下になった行へ色を付けます。4週間ごとに実績を見て、欠品が続けば安全在庫を増やし、余りや廃棄が続けば減らします。
Googleスプレッドシートで表を設定する
列名と商品を入力する
1行目に12列を作り、売上上位と欠品しやすい20〜50商品を登録します。表示メニューで1行目を固定し、スクロールしても列名が見えるようにします。
現在庫の数式を入れる
現在庫の列に、開始在庫・入荷・販売・廃棄・調整を使う数式を入れます。2〜3商品で手計算と一致するか確認してから下の行へコピーします。
発注対象へ色を付ける
条件付き書式で『現在庫が発注点以下』の行を目立つ色にします。色だけで発注済みと判断せず、発注日と到着予定日を別に記録します。
入力欄と数式欄を分ける
入力する列だけ背景色を変え、現在庫の数式列は保護します。保護は誤操作防止であり、情報を秘密にする安全機能ではありません。共有相手は必要な人だけにします。
公開設定を確認する
顧客名、仕入価格、売上などを含む表を[ウェブに公開]しません。Google公式も公開したファイルが広く閲覧される可能性を案内しています。共有リンクと閲覧・編集権限を月1回確認します。
毎日5分・週15分・月1回で数量を合わせる
入荷、販売・使用、廃棄は起きた当日に入力します。毎日の閉店時に発注点以下の商品を5分で確認し、週1回は売上上位と欠品しやすい10商品を実際に数えます。月1回は対象商品を棚卸しし、表と実物の差を記録します。
中小機構の小売業向けガイドでも、入出庫の正確な記録、発注計画、棚卸し、在庫回転や死蔵品の確認が重要とされています。欠品だけでなく、売れたはずなのに在庫がなく販売できなかった件数も記録すると、発注点の見直しに使えます。
- 毎日:入荷・販売・廃棄を当日入力し、発注点以下を確認
- 毎週:売上上位と欠品しやすい10商品を数える
- 毎月:対象商品を棚卸しし、差の個数と理由を記録
- 4週間ごと:欠品件数、廃棄数、在庫差、発注後の納品日数を比較
二重入力が増えたらPOS・在庫管理へ切り替える
商品数100点超、複数店舗、店とネットの同時販売、期限・ロット管理、複数スタッフによる頻繁な入出庫は切り替えを検討する運用目安です。特に、POSへ販売を入力したあと同じ数字を表へ毎日転記しているなら、連携できるサービスを比べます。
2週間の試用では、在庫差の件数、発注にかかった時間、欠品で売れなかった件数、廃棄数を導入前後で測ります。月額料金だけでなく、入力時間と販売機会の損失が減るかで判断します。解約時に商品・在庫・売上データをCSVで取り出せるかも確認します。
入力が増えたら、POSやネットショップと在庫をまとめる
店舗販売とネット販売を続ける場合は、売れた数を別の表へ転記しない仕組みを選びます。無料期間や小さな商品数で試し、在庫連携の範囲と解約後のデータ出力を公式サイトで確認してください。

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こんな人に向いていますお店とネットショップの両方を運営したい人
お店とネットの注文、在庫、お客さんの情報をまとめやすくなります。
- 料金の目安
- 月0円〜
- 導入店舗
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スタンダードは年契約で月3,300円。ネット決済3.6〜5.5%
申し込む前に:必要な機能がどのプラン・サービスに含まれるか確認が必要です。
公式サイトで料金・申込みを確認迷ったら、まずここから
- 商品コード・現在庫・発注点など最初に作る列
- 入荷・販売・廃棄を同じ日に記録する方法
- 1日平均販売数と納品日数から発注点を出す計算例
- 週次・月次の棚卸しとPOSへ切り替える判断基準
よくある質問
在庫数は販売するたびに入力しますか?
商品数が少なければ当日中にまとめても構いません。ただし翌日に持ち越すと差の原因を追いにくくなります。販売件数が多い場合は、POSレジから自動で差し引ける方法を検討します。
発注点は一度決めたら変えなくてよいですか?
季節、納品日数、販売数で変わります。4週間ごとに欠品と余りを確認し、欠品が続けば安全在庫を増やし、廃棄や滞留が続けば減らします。
原価や仕入先を入力しても安全ですか?
共有相手と権限を必要最小限にし、ウェブ公開は使いません。数式列の保護は誤編集防止で、アクセスを制限する機能ではないため、共有設定を別に確認します。
棚卸しは年1回だけで足りますか?
税務上の扱いとは別に、日常の発注と欠品防止のため、売上上位品は週次、対象商品全体は月次など、事業に合う頻度で実物と表を合わせます。
参考:中小企業基盤整備機構:小売業の経営課題と解決の考え方/J-Net21:商品の仕入と発注/J-Net21:在庫管理/Googleスプレッドシート:条件付き書式/Googleドキュメント:ファイルをウェブに公開する