店舗日報は、長い反省文を書くための書類ではありません。売上が動いた理由を事実で残し、翌日に変えることを1つ決めるための記録です。項目を増やしすぎると閉店後に続かないため、最初は5分で入力できる6項目に絞ります。この記事では、飲食店・サロン・教室・小売店が紙またはGoogleスプレッドシートで始める方法をまとめます。
この記事でわかること
- 店舗日報へ毎日残す売上・客数・客単価など6項目
- 5分で書ける日報テンプレートと具体的な記入例
- Googleスプレッドシートで入力ミスと共有範囲を減らす方法
- 7日ごとの振り返りと28日後に自動化を判断する基準
日報の目的を『翌日の行動を1つ決める』にする
日報を本部への報告や店主の記憶だけにすると、売上数字を転記して終わりやすくなります。毎日見る数字を固定し、『何が起きたか』『明日何を変えるか』を1つずつ残すと、曜日、天気、商品、時間帯による違いを後から比べられます。感想より、レシート、予約台帳、問い合わせ件数など確認できる事実を先に書きます。
日本政策金融公庫は、売上を一般に客数×客単価へ分け、飲食・理美容などでは座席数や回転数も使って考える方法を案内しています。最初からすべてを測らず、売上・客数・客単価を同じ定義で28日間残します。客数は会計件数か来店人数かを店内で統一します。
毎日入力する項目は6つに絞る
商品別売上、時間帯、決済方法、スタッフ別の数字は、見た後に具体的な行動を変えられる場合だけ追加します。POSですでに集計できる数字を日報へ手入力し直す必要はありません。日報にはPOSの確認先と、数字から決めた行動を残します。
- 基本:日付、曜日、担当者、営業時間の変更
- 売上:税込売上。POSやレジ締めの数字と一致させる
- 客数:会計件数または来店人数のどちらかに統一
- 客単価:売上÷客数。客数0の日は0または空欄にする
- 出来事:売切れ、団体予約、雨、機器故障など事実を最大3つ
- 翌日の行動:発注、仕込み、配置、案内変更のうち1つ
Googleスプレッドシートを5列から作る
1行目に見出しを置く
日付、売上、客数、客単価、出来事、翌日の行動、担当者を左から並べます。スマホで横へ移動しすぎないよう、最初は7列までにします。
客単価を自動計算する
客単価の最初のセルへ『=IFERROR(B2/C2,0)』を入れます。B列が売上、C列が客数の場合の例なので、自分の列に合わせます。
担当者をプルダウンにする
担当者名の表記揺れを防ぐため、データの入力規則から店主・スタッフ名を選べるようにします。退職者は共有権限と候補の両方から外します。
計算列と見出しを保護する
客単価の式と見出しは編集できる人を制限します。ただしシート保護はセキュリティ対策そのものではないため、信頼できる事業用アカウントだけへ共有します。
入力時刻を固定する
レジ締め後の5分、または翌日の開店前5分など、数字が確定している時刻を決めます。営業中に何度も書き直しません。
5分で書く日報の記入例
『忙しかった』『接客を頑張る』では、翌日に再現できません。満席になった時刻、売れた数、質問された回数のように数えられる事実へ直します。お客様の氏名、病歴、苦情の詳細などは日報へ広く共有せず、必要な記録場所と閲覧者を分けます。
- 基本:2026年9月1日(火)/担当:店主/通常営業
- 売上:86,400円/客数:48人/客単価:1,800円
- 事実1:12〜13時に24人来店し、満席で3組を案内できなかった
- 事実2:1,200円のランチが15食で売り切れ、単品注文が増えた
- 事実3:Instagramを見たと答えた新規客が2組
- 翌日の行動:ランチの仕込みを3食増やし、入口に売切れ時の代替メニューを掲示する
毎日は5分、7日ごとは15分だけ振り返る
閉店後は5分で入力を終え、毎日分析しません。7日ごとに15分だけ取り、曜日別の売上、客数、客単価、同じ出来事の回数、実行できた翌日の行動を確認します。売上が高い日だけでなく、客数は多いのに客単価が低い日、売切れや待ち時間で断った件数が多い日を探します。
改善は一度に1つです。例えば、昼の案内漏れが3回なら入口表示、主力商品の売切れが2回なら仕込み、問い合わせが5回ならホームページやGoogleビジネスプロフィールの説明を変えます。変更日を日報へ書き、次の7日間を同じ数字で比べます。
- 客数が減った:営業時間、天気、満席、集客入口を確認
- 客単価が下がった:売れた商品、欠品、追加注文を確認
- 売上は同じで時間が増えた:締め作業、転記、配置を確認
- 同じ質問が3回以上:店頭表示、メニュー、Webページへ回答を追加
28日後に残す項目と自動化を決める
28日後、入力できた日数、1日当たりの作成分数、数字の修正件数、決めた行動の実行数、同じ問題の再発数を数えます。入力率は『入力日数÷営業日数』で計算しますが、営業日が20日未満なら割合だけでなく未入力日数も見ます。
日報作成が1日10分を超える、POSから同じ数字を毎日3項目以上転記する、計算式の修正が月2回以上、複数店舗・複数担当で最新版が分からない状態が続く場合は、POSの日報・CSV・自動集計機能を比較する運用目安です。反対に、5分で翌日の行動まで決められるなら、無料の表を無理に有料化する必要はありません。
- 続いたか:営業日、入力日、未入力日の件数
- 軽くなったか:作成時間、転記項目、修正件数
- 使えたか:翌日の行動を決めた日、実行した日の件数
- 変わったか:売切れ、案内漏れ、待ち時間など同じ問題の再発数
迷ったら、まずここから
- 店舗日報へ毎日残す売上・客数・客単価など6項目
- 5分で書ける日報テンプレートと具体的な記入例
- Googleスプレッドシートで入力ミスと共有範囲を減らす方法
- 7日ごとの振り返りと28日後に自動化を判断する基準
よくある質問
店舗日報に天気は必要ですか?
天気で客数が変わる立地や業種なら残します。28日見ても判断に使わなかった項目は外します。記録できる情報より、翌日の行動を変えられる情報を優先します。
売上と客数はPOSから転記すべきですか?
POSで同じ期間を確認できるなら、数字を毎日すべて書き直す必要はありません。日報へ自動集計の確認先と、数字から分かった事実・翌日の行動だけを残す方法もあります。
スタッフの反省を書かせた方がよいですか?
まず事実と次の行動を短く残します。個人への評価や指導内容を全員共有の日報へ書かず、必要な人だけが扱う記録と面談へ分けます。
日報アプリへ移る目安はありますか?
28日測り、1日10分超、3項目以上の重複転記、月2回以上の式修正、複数担当で最新版が不明という状態が続く場合に、POSや日報機能を比較します。
参考:日本政策金融公庫:販売促進の手法・売上予測/日本政策金融公庫:店舗販売の売上予測/Google:スプレッドシートにプルダウンを作成する/Google:シートと範囲を保護する