ネットショップの商品写真は、作品写真ではなく、購入前に実物を確認できないお客さんの代わりになる情報です。高価なカメラより、同じ背景・同じ光・同じ大きさで撮り、正面、裏面、細部、使用時のサイズまで不足なく見せることが先です。まず1商品8カットをスマホで撮り、商品ページで実際の表示を確認しましょう。
この記事でわかること
- 最初の道具:スマホ、窓、白い紙、固定用の箱や小型三脚
- 撮る枚数:1商品8カットを基本に、購入判断に必要な情報を補う
- 編集:明るさと切り抜きを中心にし、実物の色・形を変えない
- 30日で見る数字:商品閲覧、カート追加、購入、写真との相違による問い合わせ
最初は0〜1,500円の道具で十分
手持ちのスマホ、窓のある部屋、白い厚紙や模造紙があれば始められます。光を反射させる白い紙、商品を固定するテープ、スマホを同じ位置に置く小型三脚や箱を追加しても、最初の予算上限は1,500円程度にします。売れる前から撮影ライトや一眼カメラを買う必要はありません。
Shopify公式ヘルプも、窓、カメラ、三脚、テーブル、白い背景、白いレフ板を基本の道具として案内し、スマートフォンでも撮影可能としています。商品が大きい、光沢が強い、色の再現が重要など、自力撮影で説明不足が続く場合にプロへの依頼を検討します。
撮影場所を10分で作る
窓の横にテーブルを置く
直射日光ではなく、カーテン越しなどの柔らかい自然光を横から当てます。室内照明と窓光を混ぜると色が変わりやすいため、まず照明を消して試します。
白い紙を壁から机へ曲げて敷く
背景と床の境目が写らないよう、紙を折らず緩やかに曲げます。白い商品は薄いグレーなど輪郭が見える背景も試します。
反対側に白い紙を立てる
窓と反対側へ白い紙を置き、影をやわらげます。アルミホイルなど強く反射する素材は、光沢商品の写り込みに注意します。
スマホのレンズを拭いて固定する
柔らかい布でレンズを拭き、箱や三脚で位置を固定します。デジタルズームを使わず、スマホ自体を近づけて構図を決めます。
1商品で撮る8カット
傷、色むら、手作り品の個体差など、購入判断に影響する点は隠さず追加撮影します。8枚すべてが必要でない商品もありますが、『届く物』『大きさ』『裏側』が文章だけになっていないかを確認します。
- 1. メイン:正面または斜め45度から、商品全体が分かる写真
- 2. 正面:形、ラベル、文字がまっすぐ読める写真
- 3. 背面:裏側の形、表示、留め具などが分かる写真
- 4. 側面・厚み:奥行きや高さが分かる写真
- 5. 細部:素材、縫い目、端子、質感を近くで見せる写真
- 6. 大きさ:定規、手、使用場所など比較対象と一緒の写真
- 7. 付属品:箱、説明書、ケーブルなど届く物をすべて並べた写真
- 8. 使用例:身につける、置く、使う場面が分かる写真
スマホで撮るときの7つの確認
iPhoneは標準カメラでズームや露出を調整できます。機種により操作名が違うため、使っているスマホの公式案内を確認します。撮るたびにスマホを動かすより、商品を回す方が写真の大きさと構図をそろえやすく、一覧で見たときに比較しやすくなります。
- レンズを拭き、写真モードで撮る
- 画面のグリッドを使い、商品の縦横をまっすぐにする
- 商品名やラベルをタップしてピントを合わせる
- 白い部分が消えない範囲で明るさを調整する
- フラッシュを切り、窓光と室内照明を混ぜない
- ズームせず、スマホまたは商品を動かす
- 商品だけを回し、スマホと背景の位置をそろえる
編集は4項目だけにする
輪郭を細くする、汚れや付属しない物を消す、実物より鮮やかにする編集は避けます。購入者が受け取る商品の状態を正確に伝えるためです。背景の小さなごみを除く場合も、商品本体の傷や個体差まで消しません。
画像の大きさと形式は利用中のショップの最新仕様を優先します。Shopifyでは、正方形の商品画像は2048×2048ピクセルが通常の目安と案内されています。別サービスでは上限や自動圧縮が異なるため、元の高画質画像を別に保存し、同じ縦横比で書き出します。
- 切り抜き:商品が中央に来るよう余白をそろえる
- 傾き:縦線と水平線をまっすぐにする
- 明るさ:細部が見える範囲で調整する
- 色:実物を横に置き、別のスマホ画面でも確認する
5商品を90分でまとめて撮る手順
時間は小物5商品を撮る場合の目安です。透明、金属、食品、衣類、大型商品は準備が増えるため、1商品ずつ品質を優先します。
15分:商品を清掃して8カット表を作る
指紋、ほこり、値札を確認し、商品ごとに必要な追加写真を書きます。
15分:撮影場所と1商品の構図を決める
最初の商品で光、背景、スマホ位置を決め、テープで位置に印を付けます。
40分:商品だけを入れ替えて撮る
1商品8分を目安に、同じ順番で8カット撮ります。撮影中に細かく編集しません。
20分:選択・名前変更・バックアップ
ぶれた写真を除き、『商品名-01-main』のように並び順が分かる名前へ変更し、元画像を保存します。
公開前にスマホ2台で確認する
- 商品一覧でメイン写真の大きさと背景がそろっている
- 商品ページで8カットが意図した順番に並んでいる
- 拡大して素材、ラベル、傷、付属品を確認できる
- iPhoneとAndroidなど別の画面でも色が極端に違わない
- 写真の周囲に住所、伝票、顔、鏡への写り込みがない
- 画像を追加しても商品ページの表示が遅すぎない
- 写真と商品説明の色名、寸法、付属品が一致する
30日後は『写真を見た後の行動』で直す
写真の良し悪しは、いいねではなく商品ページ閲覧、カート追加、購入、返品・問い合わせで確認します。メイン写真を変えた日を記録し、同じ商品で前後30日を比較します。注文が少ない段階では断定せず、購入者から聞かれた質問を次の写真へ反映します。
閲覧が少なければ商品名や集客経路、閲覧はあるのにカート追加が少なければメイン写真と価格、カート追加後に購入されなければ送料・納期・返品条件を確認します。『大きさが分からない』『色が違う』という問い合わせがあれば、比較写真や自然光での写真を追加します。
迷ったら、まずここから
- 最初の道具:スマホ、窓、白い紙、固定用の箱や小型三脚
- 撮る枚数:1商品8カットを基本に、購入判断に必要な情報を補う
- 編集:明るさと切り抜きを中心にし、実物の色・形を変えない
- 30日で見る数字:商品閲覧、カート追加、購入、写真との相違による問い合わせ
よくある質問
商品写真はスマホだけでも大丈夫ですか?
最初は十分です。窓の光、白い背景、固定した位置を使い、正面・背面・細部・大きさ・付属品まで撮ります。色や光沢の再現が難しく、説明不足が続く商品はプロ撮影を検討します。
商品写真は何枚必要ですか?
一律の正解はありませんが、最初は8カットを確認表にします。商品全体、裏側、厚み、細部、大きさ、付属品、使用例など、購入前に知りたい情報を不足なく見せます。
白い背景でないとだめですか?
必須ではありません。ただし商品一覧のメイン写真は背景と大きさをそろえると比較しやすくなります。白い商品は薄いグレーなど、輪郭が見える色を選びます。
写真加工はどこまでしてよいですか?
切り抜き、傾き、明るさ、実物に合わせる色調整を中心にします。商品の形、色、傷、付属品など購入判断に関わる部分を実物と違う状態へ変えません。
参考:Shopifyヘルプセンター 商品写真の撮影/Shopifyヘルプセンター 商品メディアの種類と画像仕様/Apple iPhoneカメラの基本/消費者庁 インターネット上の広告表示